つかさの東京見聞録

子どもたちと弁護士がつくるお芝居・もがれた翼「学びの切符」

地域: 駅:行ってきましたシリーズ

先日、佐藤先生と共に、私もお世話になっている吉川由里先生と三上早紀先生の晴れ舞台を観てきました。
東京弁護士会 子どもたちと弁護士がつくるお芝居
「もがれたpart23 学びの切符」


文京シビックホール(大ホール)の席数は1,802席、開場10分前から続々と長蛇の列が出来始めており、会場は満席状態でした。

「もがれた翼」シリーズ略して「もがツバ」
1994年に子どもの権利条約が批准されたことを契機に、子どもの人権に関わる様々な問題をわかりやすく伝えたいという思いから始まった歴史ある舞台です。
今回の「学びの切符」では、「貧困連鎖」「教育格差」「教育虐待」がテーマでした。

経済的な理由や親の事情なので夕飯を一人で食べなければならない子どもや、困っている親子に、無料または格安で食事する場所を提供する子ども食堂「サザンクロス」。
塾に通えない子どもたちに勉強を教えたりもしています。
この子ども食堂を舞台に、子どもたちの置かれている環境や心理状態、支援をする立場側の難しさ、町内会やマンションの自治会の無理解など様々な問題が散りばめられています。

子役と主人公のお二人以外は全員弁護士の先生が演じるという衝撃的な舞台です。
キーパーソンとなる三浦(みぃちゃん)を演じる吉川由里先生は演劇の経験があるのでしょうか。本職が女優ではないか?と思えるほどの熱演でした!
また、三上先生は子ども食堂と敵対する立場でしたが、実は子ども食堂のワンコインランチを食べたことがあるというお茶目な役を演じていました。
普段の先生方の違った一面を見る事ができ、見応えがありました。

舞台を通して、貧困の連鎖と教育格差、教育虐待どれも親による影響が強く、中にはSOSを発信する事が出来ない子ども、将来の漠然とした不安感から反発して周囲にレッテルを貼られる子どももいると思います。
今回、中学生の子どもたちの周りで起こっている問題がありましたが、小学生以下の子どもたちは自分が置かれている環境を否定することが出来ないのではないかと想像してしまいます。
こういった問題は、周りの誰かが気づいて手を差し伸べること、また、手を差し伸べる人に対する理解と協力が大切だと思いました。

2004年に公演されたもがれた翼part11「響け、カリヨン」をきっかけに、「カリヨン子どもセンター」が設立され日本初の子どもシェルターが誕生し、子どもシェルターは全国に広がっています。
カリヨン子どもセンターでは、緊急避難所として2ヶ月間の滞在が可能な「子どもシェルター」、半年から一年程度の滞在が可能な「自立援助ホーム」などを運営されているそうです。

過去に公演された舞台はpart13からDVD好評販売中との事です。
また、今回の上演は文京区民チャンネル(東京ケーブルネットワークCATV11ch)
番組名:プレミアムステージ
平成28年9月26日(月)から平成28年10月2日(日)の間で1日2回16時・19時に放送されるそうです。
私はケーブルテレビに加入していないので残念ながら見れません…が、皆様は機会がありましたらぜひ視聴してみてください。

東京弁護士会HP
http://www.toben.or.jp/know/iinkai/children/tsubasa/

カリヨン子どもセンターHP
http://www.carillon-cc.org/

長嶺 亜佑美

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